新成人の欲しい車が何故変わったのか!?

新成人の欲しい車ランキングは何故変わったのか!?

今年の「成人の日」に2015年の新成人は21年ぶりに増加して126万人いたというニュースが流れました。戦後、人口が急増した世代、いわゆる『団塊の世代』の孫が成人を迎える時期になったのが要因でしたが、日本の少子高齢化が止まったわけではありません。
若者の数が減少するのと平行して、日本経済も停滞していることなどもあり、成人の車に対する意識も大きく変わってきています。それが顕著に現れているのが運転免許を取得する人の数で、今年、ソニー損保が行った調査によれば、免許保有率は57%(男性が62.2%、女性52.0%)とかろうじて半数を超える程度でした。特に都会では、公共交通が発達していることもあって保有率は47.4%に留まりました。一昔のように「せめて免許くらいは持っておかないと」という意識は、もはや、過去のものとなりつつあると言ってようでしょう。そういう思考を持つ新成人に対して、ソニー損保は「欲しい車」についてもアンケートを実施しています。
その結果は、1位がトヨタの「プリウス/プリウスα」で、2位が日産の「キューブ」、3位が「BMW(3シリーズ/5シリーズ)
でした。前年は、4年連続で日産『キューブ』が1位で、2位はトヨタ『プリウス/プリウスα』、3位にはBMW『3シリーズ/5シリーズ』ということだったので、今年は1位と2位が入れ替わっただけで、好きな車に大きな変化は無かったということになります。この結果で分かるのは、現代の若者にとって、もはや自動車はステータスではなくなりつつあるということでしょう。かろうじて3位に入っているBMWには、まだ、その名残は見られますが、プリウスにしろ、キューブにしろ、選ばれた主な理由は、燃費の良さや室内の祐さといったように実用的な面が大きかったのですが、ある意味、終身雇用制が崩れつつあるなど、将来が不安定な現代社会を見越したシビアな結果と言えるかもしれません。
こうした意識は、かつて人気が高かったのに、今は生産が中止されてしまったトヨタの「スープラ」や日産の「180」といったようなスポーツカーの人気低迷の理由にも繋がっています。もっとも自動車会社では、もはやそういう意識を持つ若者からターゲットをシニア層に移し、軽自動車も含めてスポーツカーを復活させる動きが見られます。いずれにしても、若者のこうした意識は、今後、強くなることはあっても、昔のような指向に戻ることは期待できそうに無いようですから、当分の間、人気車種に変化は見られないかもしれません。

 

 

 


 


 

 

 

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